外国人ワーカーが残業してくれない

外国人ワーカーが残業してくれない

外国人ワーカーに残業してもらいたいのに、定時に帰ってしまうという話をよく聞きます。
だから外国人ワーカーは怠け者だと思ってしまっていませんか?
でも、彼らはただ仕事を切り上げたいのではなく、文化の違いで残業というものを理解できていないのかもしれません。
残業をさせるにあたっては労基法・最賃法などに注意する必要もありますので、それを知っておきましょう。

この記事の目次

そもそも残業が普通なのは日本人だけ

そもそも、海外では定時ぴったりに仕事を終えるのが基本で、日本企業のように残業する文化がありません。
仕事が残っていても、残業してその日中に終わらせるのではなく、明日か休みの日以外の日に改めて行うというのが常識なのです。
長時間労働が当たり前の国は韓国など日本周辺の一部の国だけで、日本の企業文化は特殊です。他の国の労働者は定時帰宅を行っています。
時間がなくて間に合わなかったとしたら、「それは仕事の〆切が早すぎたからだ」と考えるのが普通なのです。
こうした感覚は日本人には理解しにくいかもしれません。

外国人ワーカーに残業してもらうには

日本には労働者保護のための労働基準法・最低賃金法等の労働者保護法が制定されています。
そこでは、労働者がその国籍、宗教等の理由から賃金や労働時間などの労働条件について差別的な取り扱いをしてはならないことが規定され、時間外労働や休日労働をさせる場合には、労働基準法37条1項で割増賃金の支給が義務づけられています。
そのため、外国人が時間外労働や休日労働をした場合には、残業手当や休日手当を支給しなければなりません。
これらの法律は強行法規であり、外国人を含む日本で働く全ての労働者に適用されています。
外国人であることを理由に日本人と違う賃金が支払うのは違法です。

ですから、残業をしない外国人ワーカーには、残業したら残業代を出すという説明をしましょう。
外国人ワーカーは、母国では到底稼げない賃金を稼ぐという目的で来日しています。
残業という文化がない国では、残業をすればその分お金がもらえることを理解していないケースがあるのです。
今日終わらなかった分を残業で終わらせれば、その分、基準賃金より割り増しした賃金を獲得できるということを理解してもらえれば、よく働いてくれるはずです。

企業と外国人ワーカーとの間で、労働基準法・最低賃金法等に反する取り決めをしても無効です。
特に最低賃金は地域別・産業別に定められており、頻繁に改訂されるので、企業側はそれを下回っていないか注意が必要です。

また、残業については、いわゆる「36協定」があります。
これは事前に会社と労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者との間で取り交わす労使協定で、「どんな理由で、どんな業務で、何時間まで残業することがあるのか」を決めるものです。

36協定では次のようなことを定めます。

  • 残業や休日労働をする具体的な理由
  • 業務の種類
  • 労働者数
  • 1日、1ケ月、1年で残業する時間数

上記を定めた書面を労働基準監督署へ提出しなければならず、協定を結ばない場合は、残業をさせることはできません。

ダブルワークするワーカーにも注意して

休みや冬休みといった長期休暇(いわゆるワーキングホリデー)は例外的に週40時間まで働けますが、それ以外では、外国人は出入国在留管理庁から資格外活動の許可を受けなければ働くことが認められていません(留学・家族滞在・特定活動の一部、給与を支給するインターンシップなどは不法就労)。
また、資格外活動を取得しても、労働時間は1週28時間までと制限されています(どの曜日を起算日としても1週間で28時間以内)。
これには残業時間も含まれます。

注意すべきなのは、掛け持ち(ダブルワーク)を行う外国人ワーカーです。
労働時間は1社でだけカウントすればいいのではなく、2社以上で働くワーカーの場合は労働時間を通算して「週28時間以内」なので、外国人ワーカーがダブルワークを行うことを安易に認めるべきではありません。
許可する場合には、自社で働く時間を前提に、何時間までなら働けるのかを話し合い、その時間の範囲で働いてもらいましょう。
ダブルワークが自社のリスクにならないなら、許可をしても構いませんが、その企業名、業務内容、1日の労働時間・労働日数などは申告してもらい、必要に応じて、虚偽はない等の内容を盛り込んだ誓約書の取り交わしをしましょう。
いずれにしても、労働基準法が適用されるので、週に働ける日数は、週6日までです。

法令違反は絶対にNG

外国人に不法就労活動をさせると不法就労助長罪が成立します。こちらは3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金です(入管法73条の2第1項1号)。
判例として、、ラーメン店「一蘭」の経営者らがベトナムや中国からの留学生計10人を週28時間を超えて働かせ、不法就労助長罪として書類送検されています(2018年3月6日)。
また、2019年1月25日、三菱自動車やパナソニックなどが技能実習計画の認定を取り消された事件も記憶に新しいですね。
「技能実習」の外国人を受け入れている企業が違法行為により改善命令や許可・認定の取消しを受けると、このように企業名等と共に法令違反の事実が公示され(技能実習法15条2項、16条2項)、企業イメージを損なうことになります。
違法行為が発覚すると、特定技能・技能実習の外国人労働者を5年間は雇えなくなります(入管法2条の5第3項、特定技能基準省令第2条4号ロ、技能実習法10条6号)。

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