日本に滞在中の外国人を中途採用するには?

日本に滞在中の外国人を中途採用するには?

すでに日本にいる外国人労働者を雇用する際には、在留カードの変更許可申請や就労資格証明書の取得などを行う必要があります。
たとえばその方が現在働いている職場を辞める場合、中途で雇用するには、就労系のビザに変更したり、就労できる職種であることを証明しなければなりません。
外国人が転職する場合の在留カードの変更申請は、それほど難しいわけではありませんが、新たに雇用されるのが適切な職種か、本当にその職種で就労するのかということをきちんと説明する必要があり、不十分だと却下されてしまいます。
本記事では日本に滞在する外国人を中途採用する場合の手続きの流れとポイントを解説します。

この記事の目次

入管に提出する「所属機関に関する届出」

職場を変更したり離職したりする外国人は、「所属機関に関する届出」を14日以内に出入国在留管理局(以下、入管)へ提出する義務があります。
届出の種類には次の4種類があります。

  1. 所属機関との契約終了
  2. 新たな機関との契約
  3. 契約機関の名称変更
  4. 所属期間の住所変更

本記事のテーマである「外国人の中途採用」の場合は、1の所属機関との契約終了、2の②新たな機関との契約の2つが該当します。

これらの手続きは、申請ではなく届出なので、入管に書類を出すだけです。
提出は各所轄の入管でも受け付けていますが、インターネットや郵送で行うこともできます。
この届出をしないと、今後の変更や更新申請の際に、入管から指摘されてしまう可能性がありますから、必ず届出を出してください。

申請の種類と手続き

職種が変わる場合と職種が変わらない場合では、手続きが異なります。
職種が変わる場合には、在留資格に応じた変更許可申請が必要になります。職種が変わらない場合には、義務ではありませんが、就労資格証明申請をしたほうがよいでしょう。
本記事テーマの「中途採用」では、就労資格のビザであることが多いと思いますので、就労ビザに限定して説明していきます。

在留資格に応じた変更許可申請とは

職種が異なる際には、在留資格変更許可申請を行うことになります。

たとえば、特定技能の外食分野で働いている人を、通訳者として雇用する場合について説明します。
この場合は、特定技能ビザ⇒技術・人文知識・国際業務ビザに変更する必要があります。
技術・人文知識・国際業務ビザの認定申請に使用される資料を作成・収集するのですが、技術・人文知識・国際業務ビザとしての「専門性」を本人が有しているかということを説明しなければなりません。
なぜそのような必要があるかというと、特定技能というものが、あくまで特定の職種における人手不足を解消するための制度だからです。
このため、特定技能ビザは、専門性を有していなくても知識または一定の経験があれば取得できますが、技術・人文知識・国際業務ビザは「専門性」に基づいて就労をすることが求められており、大学卒業程度の一般レベル以上の能力がなければ取得できないのです。
そのため、特定技能ビザから技術・人文知識・国際業務ビザに変更する際には、資料の作成も厳格に行う必要があります。

同様に、技術・人文知識・国際業務ビザから特定技能に変更する際にも注意が必要です。
特定技能ビザは、①試験また実務経験、かつ②日本語能力が求められます。
専門性については確認されませんが、職種ごとの試験に合格していることが審査の要件になります。たとえば外食であれば、外食分野の試験を合格していなければならないということです。
申請の際には、、当該職種の試験に合格しているかを確認しなければなりません。

就労資格証明書申請とは

外国人が現に有している在留資格は、あくまで以前の会社に勤めることを許可されたビザです。たとえそのビザの有効期限が残っていても、その就労ビザは有効ではないことになります。
これは、就労ビザの申請をする際には、本人の情報だけでなく、所属機関の情報も入管は審査して、許可を出しているからです。
もしそこを辞めて他社に転職するなら、転職先の会社、かつその業務内容を現在の就労ビザでも可能であることのお墨付きを入管からもらわなければなりません。
就労資格証明交付申請は、義務ではありませんが、申請しておけば、転職後の在留資格更新時に、作成資料や収集資料の数が少なくなったり、不許可になる可能性が低くなります。

手続きのポイント

ここでは、申請や証明書の交付を受ける際に、どのようなポイントに気をつければいいかを説明します。
各種類の資料とその資料の意味合い、どこに注意して作成するべきかを確認してみてください。

本人が用意する書類

以前の職場の就労証明と退職証明書、源泉徴収票

就労していたことを証明するものなので、給料が毎月振り込まれていることを示す銀行通帳や健康保険のコピーなどが手元にあれば、それを添付することで代替できることもあります。
ただし、これらは以前の会社を円満に退職しなければ取得できないでしょう。取得が難しい場合は、専門家に依頼する方法もあります。

公的義務の負担をしっかりしているか

就労ビザなら、相続税などを見られることはなく、住民税をしっかり納め得ているかを証明する市町村発行の課税証明、納税証明を取得して添付しましょう。
未払いなどかある場合は、外国人本人に支払ってもらってから取得してください。
2つ以上の職場から給与をもらっている場合には、確定申告が不可欠になります。

雇用契約書

就労ビザを申請する際には、雇用契約書は提出必須です。
同等の能力を有する日本人と同等の給料であるか、控除費用が著しく高くないか、有給付与や時間外労働時の給与が適切かどうかということが審査項目になります。丁寧に項目を埋めていきましょう。

本人の履歴書及び職務経歴書

これらは申請人が直接丁寧にチェックする必要があります。
特に課税証明書や住民票と齟齬がないように作成しないと、資料の追完が必要になり、最悪、不許可になることもあります。
手間ではありますが、こちら側で原本を作って、申請人に書いてもらうのもありです。
また、本人の転職目的も書いてもらいましょう。転職目的に合理性がないと指摘を受けてしまうことがあるからです。適当な目的や理由を書いておきましょう。

本人の卒業証明書

卒業証明書で注意しなければいけないのは、外国人であれば本国の言語で書かれているので、翻訳を付けなければならないということです。

会社側が用意する書類

会社側が準備する資料としては以下のようなものがあります。

  • 登記簿
  • 決算書
  • ホームページのハードコピー
  • オフィスの写真
  • オフィスの賃貸借契約書
  • 事業計画
  • 定款(新規なら)
  • 本人の採用理由

登記簿、決算書、オフィスの賃貸契約書や写真があると、会社としての信頼度を高めます。本人の採用理由については、本人が有している能力が、会社側にとって必要であることを説明しましょう。

外国人をスムーズに雇用するなら、丁寧な手続きを

以上が、日本に滞在する外国人を中途採用する場合の手続きの流れとポイントです。
大前提として、所属機関変更の届出は必須です。その上で、職種変更するなら、入管への変更許可申請、職種が同じで職場変更なら、就労資格証明書申請を提出するのがお勧めです。

外国人をスムーズに雇用するために、丁寧な手続きをやっていきましょう。

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